Baym-Kadanoff (BK) 保存近似法は,多体問題をグリーン関数法で定量的に取り扱う際の基本手法である.このBKは近似解法であるが,高田はそのBKを越えて厳密解を得る基本的処方箋を得[1],その簡便法としてワード恒等式を利用したGISC(Gauge-Invariant Self-Consistent)を提案[2]し,その有用性とバーテックス補正の重要性をポーラロン系を例として確かめた[3,4].そして,エリアシュバーグ理論を越えて,バーテックス補正が正しく考慮された強結合超伝導理論建設に向けて,その第一歩を踏み出した[5].  
  また,このGISC法と無限次元系での分子場理論との関連を見る[6]中で動的局在化の概念[7-9]が得られた.現在,GISC法を越える手法の開発を行いながら,それを駆使して高温超伝導機構を研究している.